北星鉛筆株式会社
杉谷龍一 × 鉛筆
建築家 松島潤平さんによるfocus core,create different

1950年創業
鉛筆一筋

1950年の創業当初から鉛筆をつくりつづけてきた。
ずっと鉛筆と真剣に向き合い続けたからこそ鉛筆がもつ魅力や可能性を誰よりも知っている。
そんな北星鉛筆株式会社の杉谷龍一さんが考える“鉛筆の本質”と”可能性”について伺いました。

鉛筆の本質

他に無い記憶に残る書き味
最後に残る筆記具

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黒鉛・粘土・木
だから独特で、記憶に残る

黒鉛と粘土を混ぜた粘土芯だけが持つ、なめらかだけでない、芯が徐々に崩れていくことを指先が感じる事の出来る独特な筆記感。さらに、鉛筆の木が持つ独特な香りと柔らかさ、それが記憶に残る感覚であると考えています。それも自然の材料から出来た、人間に違和感を与えない材料から作られることも重要と考えます。

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長く、しっかり残せる

パソコンのデータは長期間置くと消失します。ボールペンの文字やサインペンの文字も時間が経つと経年劣化によって文字が薄くなったり消失してしまう事がありますが、鉛筆の文字は変わらず残ります。本体も通常の筆記具が2~3年で書けなくなってしまう物が多い中、鉛筆は劣化もなく書き味も変わりません徳川家康の鉛筆が今も書けるほどです。
簡単に消せる一方で、しっかり残せる筆記具、それが鉛筆です。

北星鉛筆株式会社が
これまでにうみだした
“鉛筆”

大人の鉛筆

「大人の鉛筆」

―構造的にはシャープペンでありつつも、本質的には“鉛筆”。まさにFocus core, Create differentが実現されているような製品「大人の鉛筆」についてうかがいました。

昨今鉛筆と言えば、子供が勉強に使う文房具と言うイメージが強くなってきている中で、大人にも鉛筆を使ってほしい、大人が使いたくなる鉛筆を作りたいと言う思いから生まれたのがこの製品です。ただ普通の鉛筆を高級な材料でいい鉛筆を作るだけでは、もうすでに販売されているし、大人が使いたくなるとも思えなかった、そこでノック式のシャープ型鉛筆の「大人の鉛筆」を考えました。

「あっ、鉛筆」と
思ってもらうために

開発で一番のポイントは、鉛筆はすべての人が使ったことがあって、小学生の間ずっと使い続けた懐かしさもある点。書き始めたときに「あっ、鉛筆」と思ってもらうために、鉛筆としての書き味と、書いた時の鉛筆感を一番重要視し頭の中に眠っている鉛筆のイメージと合致させること、さらに鉛筆と同じように、無駄を省いて、書くために必要のない要素は極力排除しました。

“鉛筆”の未来

鉛筆と向き合ってきたからこそ見えるもの

鉛筆は生まれてすぐ多少のサイズの違いはありますが今の形になり、ずっと形を変えていません。こんなものはかなりまれで、現在は規格もしっかり決まっている為、鉛筆がどんどん形を変えて行くとは考えにくいと思います。

鉛筆の隠れた可能性

ただ鉛筆にはいろいろな可能性が隠れています。例えば最近では鉛筆の芯を使った電池を作ってみたり、電極棒として使って金属を切ってみたり、もっと身近なところでは、開きにくくなったふすまのレールに鉛筆の芯を擦り付けると鉛筆の持つ潤滑性でスムーズに開くようになります。
最近商品で出したものは、鉛筆をタブレットを動かすタッチペンに変えるキャップで、鉛筆の芯が持つ導電性を利用することで、電気を通さない木材に包まれている鉛筆でもタッチペンになることを見つけ出しました。

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鉛筆自体の形は変わらないと思いますが、その周辺にも付随する鉛筆削りや、消しゴムなどがあります。
もっと鉛筆が削りたくなる鉛筆削りや、消したくなる消しゴムなどまだ考える余地は有り余っていると思います。
また木以外の材料を使った鉛筆や黒鉛を使わない鉛筆等も考えられると思うし、何か少し足すだけでより使いやすい鉛筆になると言うような事は十分考えられると思います。

MESSAGE

すべての物の本質は
人に必要とされる事
必要とされる物はどんどん増えていき
必要とされない物は消えて無くなっていく
それはみんなに好かれなくても
一部でも好んでくれる人がいれば
その物に存在価値はある。

なぜ物を作るのか
それは、人に喜んでもらいたい為。
何のために人は働くのか、
それは、人の役に立つ為。
人が望んでいる物をあげれば
その感謝の対価としてお金を払う
その価値のない物にお金は支払われない
お金を稼ぐとはそういう事だと思う

今の仕事のどこが人に求められているのか
どうすれば人により必要とされるか感謝されるか
そう考えれば多様性が生まれていく

すべての人はつながっていて
みんな誰かの役に立っている
給料=世界中の人からもらった今月分のありがとう
そう思うと今の仕事が楽しくなると私は思う 北星鉛筆株式会社
杉谷龍一

それぞれの試考作互をみる

試考作互 No.001
カテゴリー:建築

試考作互 No.002
カテゴリー:話し家

試考作互 No.003
カテゴリー:プロダクトデザイン

試考作互 No.004
カテゴリー:鉛筆メーカー

試考作互 No.005
カテゴリー:料理

試考作互 No.006
カテゴリー:芸術