“家”
絵本作家である村上信理が
考える“家”とは?
家の本質
“いってかえる”
場所
私たちは、
職場から学校から
遊び場から遠い国から
あるいは、
過去の記憶から未来の創造から
いつも自然に無意識に
家にかえることができます。
困難な状況で
身体は家にかえられないときも
心だけがかえることもできます。
“いってかえる”
ということは、
ファンタジーの世界においても
大切にされている考え方です。
たとえば、
ルイス・キャロルの
『不思議の国のアリス』では、
白兎を追っていたアリスが
穴に落ち不思議の国へ
迷い込む・・・
20世紀最高の絵本作家と呼ばれる
モーリス・センダックの代表作
『かいじゅうたちのいるところ』では、
お母さんに叱られた主人公マックスが
閉じ込められた部屋から
空想の力で逃げ出す・・・
日本の『竹取物語』では、
月からやってきたかぐや姫が
月という家に帰ってゆく・・
心と身体が
現実世界からファンタジーの世界に
“いってかえる”
物語を新たに紡いでみました。